看護師の共感疲労・燃え尽き度セルフチェック|軽度・中等度・重度の対処ガイド

最近、こんな状態が続いていませんか?

  • 休みの日もずっと寝ていたい
  • 仕事モードの自分と、家での自分が完全に切り離されている感じがする
  • 「患者さんの話を聞く余裕がなくなってきたな…」と薄々気づいている

看護師は、からだだけでなく「気持ち」までフル稼働させて働く仕事です。

そのぶん、共感疲労や燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りやすい職種でもあります。

ただ、「しんどいけど、これって普通?」「もう限界に近い?」は自分では判断しにくいもの。

この記事では、

  • かんたんなセルフチェック(点数式)
  • 結果に応じた対処法
     - 【軽度】まずは生活の立て直し
     - 【中等度】仕事量と人間関係の調整
     - 【重度】“休む選択”や配置転換を含めた検討

という流れで、今のあなたの段階に合ったケアの仕方を整理します。

目次

バーンアウト/共感疲労って何?

まずは、バーンアウトと共感疲労がどんな状態なのかを、看護師の現場イメージに絞って簡単に整理しておきます。

むずかしい専門用語は置いておいて、「これかも…」と思いやすいポイントだけ押さえましょう。

看護師が陥りやすい「燃え尽き」と「共感疲労」のちがい

燃え尽き(バーンアウト)は、

仕事に全力で向き合い続けた結果、エネルギーが空っぽになってしまった状態を指します。

  • 何もかも面倒くさい
  • 仕事のことを考えるだけでどっと疲れる
  • 自分の看護に意味を感じられない

といった感覚が続くのが特徴です。

一方、共感疲労

「患者さんや家族のつらさに寄り添いすぎた結果、心が擦り減ってしまう」状態。

  • 患者さんの話を聞くと、家に帰っても頭から離れない
  • つらい話を聞くたびに、胸がぎゅっと苦しくなる
  • 仕事以外の時間でも、感情がずっと重い

といったしんどさが出やすくなります。

よくあるサイン

  • 朝、体は動くのに「どうしても足が職場に向かない」
  • ミスはしていなくても「自分なんてダメだ」と自己否定が強くなる
  • 患者さんの訴えに、前ほど共感できずイライラしてしまう
  • 同じようなインシデントを繰り返しそうで怖い

ここから先は、セルフチェックで「今どの段階か」を一緒に確認していきましょう。

共感疲労・燃え尽き度セルフチェック(合計点で今の状態を知る)

次に、いま自分がどのくらい疲れているのかをざっくり把握するためのセルフチェックです。

感覚だけで悩むのではなく、点数で見える化して「どこから整えるか」を決めていきます。

チェックリストの使い方(忙しくても3分でできる簡単診断)

以下の10項目について、過去2週間の自分を思い浮かべながらチェックしてみてください。

  • 「よくある」…2点
  • 「ときどきある」…1点
  • 「ほとんどない」…0点

として合計点を出します。

  1. ◻︎仕事に行く前から、すでにぐったり疲れている
  2. ◻︎夜、仕事のことを考えてなかなか眠れない
  3. ◻︎患者さんや家族のつらい話を聞いたあと、家に帰っても頭から離れない
  4. ◻︎ちょっとしたことでイライラし、口調がきつくなる
  5. ◻︎「こんなに頑張っているのに報われない」とよく感じる
  6. ◻︎以前は楽しかったこと(趣味・推し活など)にも興味がわかない
  7. ◻︎仕事中、抜けるようなミスが増えてきた気がする
  8. ◻︎「自分なんて看護師に向いてない」と思うことが増えた
  9. ◻︎仕事のことを話していても、感情が追いつかず涙が出そうになる
  10. ◻︎「このまま続けたら壊れてしまいそう」とふと感じる

結果の見方

合計点を計算してみてください。

  • 0〜5点:軽度
     疲れはたまっているものの、まだ立て直しが効きやすい段階。
     → 次の「【軽度】土台づくり」から読んでみてください。
  • 6〜12点:中等度
     仕事量や人間関係を、このままの形で続けるのは少し危険なライン。
    → 「【中等度】仕事量の調整」を優先して読みましょう。
  • 13〜20点:重度
     からだ・こころの両方がかなり消耗している状態。
     → 「【重度】休む選択」を必ず読んで、受診や休職も視野に入れてください。
おかゆ

点数が高いからといって「ダメな自分」と決めつけなくて大丈夫です。
「この状態なら、ここまでケアしてあげたいな」という目安として使ってみてくださいね。

【軽度】まずはここから:回復の土台づくり(睡眠・食事・休息)

セルフチェックで軽度〜入口くらいだった方は、生活の土台を整えるだけでもグッとラクになる段階です。

ここでは、忙しい看護師でも現実的にできる「最低限これだけ」の整え方に絞ってまとめます。

「これだけは守りたい」睡眠時間とリズムの最低ライン

  • できれば 6時間以上の睡眠 を、週の半分は確保する
  • 夜勤明けの日は「長時間バク寝」ではなく、
     短めの仮眠+いつもより早めに寝る リズムを意識する
  • ベッドに入る1時間前から、スマホ・強い光・仕事の話題から離れる
おかゆ

「夜勤前に眠れない」「明けに眠れない」ときは、睡眠のコツをまとめた記事と組み合わせて読んでもらうと、より整えやすいですよ。

血糖スパイクを防ぐ食事のコツ(甘いもの・カフェインとの付き合い方)

  • いきなり甘いパン・お菓子だけで済ませない(眠気とだるさが悪化しやすい)
  • 可能なら
     「たんぱく質+主食+野菜」 の3点セットを意識する
     (おにぎり+ゆで卵、カットサラダ+ヨーグルトなど簡単でOK)
  • 夜勤中のカフェインは「ここぞ」というタイミングだけに絞る

勤務の合間にできる「マイクロ休息」(1〜3分でリセット)

  • 更衣室やトイレで、目を閉じて10回深呼吸する
  • ナースステーションから少し離れた廊下で、肩回し+首回し
  • お気に入りの香り(アロマシート・ハンドクリーム)をひと塗り

小さな休息でも、「ずっと全力」から抜け出すきっかけになります。

おかゆ

イライラしやすい・口調がきつくなる…というときは、怒りのセルフケア記事も合わせて読むと、対処しやすくなります。

【中等度】仕事量の調整:抱えない仕組み化

「生活を整えるだけでは追いつかない」「仕事の重さそのものがつらい」と感じる場合は、

自分ひとりの工夫だけでは限界が見え始めている段階です。

ここからは、仕事量や役割そのものを見直していきます。

「自分のキャパ」を言語化する:境界線を引くための考え方

「残業〇時間を超えると、翌日ミスが増えやすい」

「◯人以上の受け持ちになると、安全確認が追いつかない」

このように、“しんどさ”を具体的な条件に言い換えると、

周囲にも相談しやすくなります。

おかゆ

「なんか限界…」よりも「この条件を超えると危ないです」と伝えた方が、周りも動きやすくなります。

上司・同僚への相談の伝え方テンプレ

ただ「つらいです」「無理です」だけだと、言い出しにくいですよね。

おすすめは以下のようなフレーズです。

「今の業務量だと、インシデントが増えそうで心配です」

「最近、受け持ちが多い日ほど確認漏れが増えていて…。
 〇人以上になる日は、フォローをお願いできませんか?」

「新人指導と夜勤リーダーが重なると、頭が回らなくなってしまって…。
 どちらかを調整できないか相談したいです」

「危険サイン」をもう少し詳しく整理したいときはこちらもどうぞ。

業務の手放し方:「自分じゃなくてもいい仕事」を洗い出す

  • 他職種に依頼できること(事務処理・物品管理など)
  • 看護助手さんにお願いできる環境整備・移送
  • チーム内でローテーションにできる雑務

「自分が全部やらなきゃ」から一歩離れることが、中等度からの悪化を防ぎます。

おかゆ

新人指導でさらに削られている…という方は、こちらの記事も参考にしてください。

【重度】“休む選択”の考え方(受診・休職・配置転換)

「このまま続けたら危ないかも…」と感じる人向けに、

ここでは『休む』という選択肢をどう考えるかを整理します。

気合いと根性で乗り切るフェーズを超えているサインがないか、一緒に確認しましょう。

医療機関の受診を考えた方がいいサイン

  • ほとんど眠れない、もしくは寝てもまったく休んだ気がしない
  • 毎朝「消えてしまいたい」とまで思ってしまう
  • 涙が急にあふれて止まらないことが増えた
  • 仕事中に動悸・息苦しさ・めまいが頻繁に出る

これらは、心身がかなりSOSを出している状態です。

心療内科・精神科・産業医などに相談することも立派な自己管理です。

休職・配置転換を検討する前に整理しておきたいこと

  • 経済面(休職中の手当・家計の状況)
  • 家族の理解・サポート体制
  • 今の職場で「配置転換」や「勤務形態の変更」が可能かどうか

一人で抱え込まず、

信頼できる同僚・家族・主治医と一緒に選択肢を整理していきましょう。

インシデント後に一気に落ち込んだ場合の立て直し方

「あのミスさえなければ…」

「あの日から全部おかしくなった気がする」

インシデントをきっかけに、一気に落ち込んでしまうケースも少なくありません。

おかゆ

インシデント後に立ち直れないときは、こちらの記事で詳しく整理しています。

怒り・イライラの裏にある「共感疲労」に気づく

落ち込みだけでなく、イライラや口調のきつさとして出てくる疲れもあります。

ここでは「また当たってしまった…」と自己嫌悪になりがちなパターンを、少し言語化してみます。

口調がきつくなる・当たってしまうのは“性格が悪いから”じゃない

共感疲労がたまると、

  • いつもなら流せるひと言にカチンとくる
  • 患者さんの訴えに「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」と内心思ってしまう
  • 家族やパートナーに、職場のイライラをぶつけてしまう

といった形で「怒り」として出てくることも多いです。

これは、あなたの性格が悪いわけではなく、心の余白がなくなっているサインです。

おかゆ

怒り・イライラとの付き合い方はこちらで詳しくまとめています。

プリセプター・指導係での消耗は「共感疲労」が関わっていることも

  • 新人の気持ちに寄り添いたい
  • でも、安全も守らなきゃいけない
  • 上司からは「育て方」を評価される

そんな板挟みの中で、共感疲労+責任の重さで消耗しているケースも多いです。

おかゆ

「新人指導がつらすぎる…」と感じるときは、指導ストレスに特化した記事も読んでみてください。

「自分を責める」から「状態を理解する」へ

  • 「私は看護師に向いてない」
  • 「こんなことで疲れてるなんて情けない」

と責める代わりに、

  • 「今は中等度くらいまで疲れてるんだな」
  • 「共感しすぎてしんどくなってるんだな」

状態をラベリングしてあげることが、回復への第一歩になります。

ぶり返さないための予防(共感の境界線/感情の持ち帰りを減らす)

一度立て直しても、同じ働き方・同じ抱え込み方に戻ると、共感疲労や燃え尽きはぶり返しやすくなります。

ここからは、「ぶり返しにくくするための予防編」です。

患者さんのつらさに“全部”共感しないための境界線の引き方

  • 「患者さんの人生そのもの」までは背負わないと決める
  • 「今、この瞬間にできる最善」にだけ集中する
  • 患者さんの苦しみ=自分の責任、と結びつけすぎない
おかゆ

“全部背負う”よりも、“半歩後ろから支える”くらいの距離感でも、十分寄り添えています。

仕事の感情を家に持ち帰らないミニ習慣

  • 更衣室で「今日いちばん頑張ったこと」を1つだけ心の中で唱える
     → 「〇〇さんの不安を少し減らせた」「インシデントを防げた」など
  • 帰り道の電車では、仕事の振り返りをあえてしない時間を作る
     (推し・旅行・趣味・ごはんのことなど)
  • 家に帰ったら、まずはシャワーや着替えで「仕事モード」を脱ぎ捨てる

日常でできる「心のバッテリー充電」リストを作っておく

  • 5分でできる:温かい飲み物をゆっくり飲む、ストレッチ、推しの動画1本
  • 30分でできる:カフェでぼーっとする、散歩、好きな音楽を聴く
  • 半日〜1日でできる:友だちと会う、小旅行、趣味に没頭する
おかゆ

「何をしたら回復するか」をあらかじめリストにしておくと、オフの日に“なんとなくSNSで終わる”のを防ぎやすくなります。

まとめ:あなたのせいじゃない、立て直せる

最後に、この記事のポイントをコンパクトに振り返ります。

  • 看護師は共感力が強い人ほど、共感疲労・燃え尽きに陥りやすい仕事
  • セルフチェックで、今の状態(軽度/中等度/重度)を可視化するだけでも
     「ちゃんとしんどがっていいんだ」と思いやすくなる
  • 軽度なら生活の土台づくり
     中等度なら仕事量・人間関係の調整
     重度なら“休む選択”や受診を検討することが、すべて「甘え」ではなく必要なケア
おかゆ

しんどくなるまで頑張ってしまうのは、
「手を抜けない」「目の前の人を守りたい」という、看護師としてのまっすぐさの裏返しです。
あなたのせいじゃないし、今からでも立て直せます。

今の職場が合わないかも…と感じたとき

共感疲労・燃え尽きが進んでいる背景には、

  • 人員配置や業務量がどう考えても多すぎる
  • 文化や人間関係が、自分と合っていない
  • 「安全に働けるイメージ」が持てない

といった職場環境そのものの問題があることも少なくありません。

おかゆ

どれだけセルフケアをしても、「この病棟の条件ではもう無理かも…」というケースもあります。
そんなときは、働き方や職場を変える選択肢も一度考えて大丈夫です。

働き方・キャリアを整理したいときの内部リンク

「まず情報収集だけしたい」人向け転職サイト

「今すぐ辞めるかは決めていないけれど、
もし動くならどんな選択肢があるのかだけ知っておきたい」という場合は、
転職サイトで情報収集だけしておくのも一つの方法です。

おかゆ

「登録=すぐ転職」ではありません。
しんどさを抱えたまま一人で求人を探すより、
「夜勤少なめ」「メンタルが落ち着いている職場」などの希望を伝えて、
条件に合う職場を一緒に探してもらう方がラクな場合も多いです。

必要なときに、必要なところだけ、少しずつ読みに来てもらえたらうれしいです。

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この記事を書いた人

手術室看護師のおかゆです。
10年以上の経験を持ち、転職を経て今もなお手術室で活躍しています。
このブログでは、私自身が転職活動を行う際に感じた疑問や不安を元に、看護師の皆さまが次の一歩を踏み出す際の参考になる情報を提供しています。

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