「手術室看護師って、1日なにしてるんだろう?」
「オペ室希望だけど、忙しさや雰囲気がイメージできなくて不安…」
「新人で手術室配属が決まった。正直、怖い…!」
そんな方に向けて、手術室看護師の1日の流れ・タイムスケジュール・仕事内容を、できるだけリアルに言語化した記事です。
こんにちは、看護師はたらき方本舗のおかゆです。
私は手術室歴10年以上、移植・心臓・整形・消化器など、いろんなオペを経験してきました。
この記事では、
- 手術室看護師の1日の流れ(タイムスケジュール)
- 器械出し・外回りそれぞれの仕事内容
- 手術室新人看護師がつまずきやすいポイントと乗り越え方
を、「病棟との違い」「新人・学生目線」を意識しながら解説します。
手術室看護師って1日どんな仕事をしているのか気になっている方の入口記事として、肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。
看護師正直、オペ室ってピリピリしてて怖い場所ってイメージしかなくて…。



そのイメージ、すごくわかります。
でも実際は、チームで声を掛け合いながら動く協力プレーの現場なんですよ。
1日の流れがわかるだけでも、怖さはかなり減ります。
手術室看護師の1日をざっくりイメージしよう


まずは細かい話の前に、オペ室看護師の1日の「型」をざっくりつかんでおきましょう。
手術室看護師の主な役割(器械出し・外回り)
手術室看護師のメインの役割は、大きく2つです。
器械出し看護師
- 手術台のすぐそばで、清潔野の中に立つ
- メス・鉗子・縫合糸など、必要な器械をタイミングよく手渡す
- 術式の流れを先読みして、次に使う器械を準備しておく
- ガーゼ・針・メス刃などのカウントを行い、異物残存を防ぐ
外回り看護師
- 清潔野の外側から、手術全体を俯瞰してサポート
- 体位固定・保温・点滴・輸血・検体管理などの介助
- 物品・薬剤の出し入れ、家族対応、病棟・ICUとの連絡
- 電子カルテ・麻酔記録の入力補助
1日の中で、
- 「1件目は器械出し」
- 「2件目は外回り」
のように、同じ手術室内で役割を交代して担当することが多いです。
新人さんは、まず外回りで流れを覚え、慣れてから器械出しデビュー…というステップが一般的ですね。
勤務形態(日勤・夜勤・オンコール)の違い
手術室の働き方は病院によってさまざまですが、代表的なのはこの3パターンです。
- 日勤のみの常勤・パート:予定手術中心の病院・クリニックなど
- 日勤+オンコール:緊急手術も受ける一般的な急性期病院
- 三交代(または二交代)+オンコール:大きな救急・ハイボリュームセンターなど
この記事では、いちばんイメージしやすい「日勤で予定手術」の1日をベースにお話しします。
オンコール・夜勤は後半で触れますね。
「病棟ナース」とここが違う!オペ室ならではの特徴
病棟との大きな違いは、「患者さんを看る時間の密度」です。
- 同時に受け持つ患者数は、基本的に1件ごと(前後の手術を含めても少数)
- そのぶん、1人の患者さんの「数時間」を超高密度で見守る
- 術前・術後よりも、「手術中の安全」に看護の力を注ぐ
病棟が「患者さんの日常生活をトータルで支える」なら、
手術室は、「手術という一大イベントの数時間に集中して伴走する」イメージです。



病棟経験はあるけど…また一から覚え直しって考えると、ちょっと腰が引けちゃうなあ。



病棟とオペ室では見るポイントが違うので、最初は全員が新人みたいなものです。
病棟で培ったコミュニケーション力や観察力も、ちゃんと武器になりますよ。
出勤〜朝イチカンファレンスまでの流れ


ここからは、実際の時間の流れに沿って「手術室看護師の1日の始まり」を追いかけていきましょう。
前日に情報収集、当日に最終チェック(カルテ・麻酔計画)
情報収集は前日に行い、当日にサッと最終確認という流れでやっているオペ室が多いです。
前日(勤務終わり〜すき間時間)
- 翌日の手術予定表を確認
- 自分の担当部屋・術式・担当科をチェック
- 気になる症例(高齢・重症・出血多そう・アレルギーあり など)に印をつける
- カルテと麻酔計画を見て、全体像をつかんでおく
当日朝(出勤後)
- 前日チェックした症例を中心に、オーダーや検査結果の「変更がないか」を確認
- 手術順の入れ替えや、緊急追加の有無をチェック
ここで、「今日の手術室看護師の1日」が頭の中でなんとなく組み立てられていくイメージです。
新人のうちは、
- 「今日は○○室で外回り」
- 「この術式は初めてなので、先輩と一緒」
といった形で、先輩がペアについてくれることが多いです。
担当手術・役割(器械出し/外回り)の割り当て
担当する部屋・役割は、前日までにリーダーや師長がシフト表の中で決めていることが多いです。
- 1件目:整形外科(器械出し)
- 2件目:一般外科(外回り)
- 3件目:泌尿器科(器械出し) …など
新人のうちは、同じ科・同じ術式を続けて担当させてもらうことが多く、
「ひとつの術式をじっくり覚えていく」スタイルが一般的です。
器械準備・物品チェック・環境整備
担当が分かったら、すぐに部屋の準備(セットアップ)に入ります。
- 手術に必要な器械セットをピックアップ
- ガウン・手袋・ドレープ・シーツなどのリネン類を準備
- 麻酔器・モニター・吸引などの作動確認
- 手術台の高さ・体位補助具のチェック
手術室新人看護師の最初の壁は、ここでの「器械名・セットの種類が多すぎて覚えられない問題」。
最初から完璧に覚えようとせず、チェックリストやマニュアルを見ながら、少しずつ慣れていけばOKです。
朝カンファレンス・申し送りで確認すること
準備がひと段落したら、朝のカンファレンスでその日の全体像を共有します。
- 予定手術の件数と順番
- 緊急手術・長時間が予想される症例の有無
- 大量出血リスク・特殊な機器を使う症例 など
麻酔科医や執刀医から、
「この患者さんは出血多めになりそう」
「体位に注意してほしい」
といったコメントが出ることも。
ここで「今日のオペ室全体のリスクと重点ポイント」を共有しておくことで、安全な1日につながっていきます。
患者さん受け入れ〜麻酔導入まで


準備が整ったら、いよいよ患者さんをお迎えします。
新人・学生さんが一番緊張しやすい場面ですが、流れを知っておくと気持ちがぐっと楽になります。
病棟からの受け入れと患者確認(ID・同意・部位確認)
病棟からストレッチャーや徒歩で患者さんが到着。
外回り看護師が中心になって、次のような項目を確認します。
- 氏名・生年月日・リストバンドでの本人確認
- 手術名・手術部位・左右の確認
- 手術・麻酔の同意書の有無
- アレルギーの有無・内服状況
- 取り外すべきもの(義歯・補聴器・アクセサリー など)
このとき、患者さんは不安MAXなことが多いので、
「ここが一番緊張しますよね。しっかり見守るので一緒に乗り切りましょうね。」
と、短い一言でも声をかけるのが手術室看護師の大切な仕事です。
麻酔導入中の看護師の動きと観察ポイント
麻酔導入のあいだ、動きはこんな感じです。
- 器械出し:手洗い・ガウンテクニック・器械台の最終セット
- 外回り:モニター値の確認、麻酔器のチェック、麻酔科医の介助
観察ポイントの例:
- SpO₂・血圧・脈拍の変化
- 呼吸状態(マスク換気がスムーズかどうか)
- 不安・苦痛がないか、導入前の患者さんの表情
ここでの落ち着いた雰囲気づくりが、その後の手術中の安定につながります。
安全チェック(タイムアウトなど)の流れ
手術開始前に安全確認(タイムアウト)を行います。
- 患者情報(氏名・生年月日)
- 手術名・部位・左右の確認
- 適切な機器・インプラント・血液製剤の有無 など
医師・麻酔科医・看護師が声を出して確認することで、
「思い込み」や「うっかり」を防ぐ最後の砦になります。
執刀中のオペ室看護師の仕事内容


「オペ室看護師=器械を渡す人」というイメージを持たれがちですが、実際はもっと奥深い仕事です。
器械出し・外回りそれぞれの動きを見てみます。
器械出し看護師の1日の動き【流れと役割】
器械出し看護師は、清潔野の中で医師と一緒に手術を進めるポジションです。
- 清潔操作でガウン・手袋を装着
- 器械台を整え、メス・鉗子・縫合糸などを整理
- 医師の手の動き・術式の進行を見ながら、必要な器械をテンポよく手渡し
- ガーゼ・針・メス刃などのカウント(開始・途中・終了時)
最初のうちは、
「次に何が来るのかさっぱり…」
「器械の名前が頭から飛んだ…」
となるのが普通です。
同じ術式を何度も経験するうちに、少しずつ流れが見えてくるようになります。



器械多すぎて、名前もタイミングも全然覚えられる気がしない…(泣)



最初から全部覚えようとしなくて大丈夫。
まずはこの術式だけは得意って言えるものを作っていこうね。
外回り看護師の1日の動き【記録・物品・家族対応】
外回り看護師は、手術全体の「外側の交通整理役」です。
- 物品・薬剤の受け取りとダブルチェック
- 追加で必要になった器械・インプラントを取りに行く
- 検体管理・血液製剤の受け渡し
- 手術・麻酔記録の入力補助
- 家族への中間報告・病棟やICUへの連絡・調整
器械出しが清潔野の中にいるぶん、
外回りは「室外との橋渡し」としてフットワーク軽く動きます。
急変・トラブル時の対応のイメージ
手術中は、想定より出血が多くなったり、循環動態が不安定になったりすることもあります。
そんなときの外回りの動きの例:
- 追加輸血・輸液の準備とダブルチェック
- 止血材・追加器械の迅速な準備
- 応援スタッフを呼ぶ
- ICUや病棟に、「終了後はICU入室」などの連絡調整
もちろん、いきなり新人1人に任せることはありません。
先輩と同じ場面を何度も経験しながら、「急変時の型」を体で覚えていくイメージです。
「忙しいけど楽しい?」オペ室ならではのやりがい
オペ室はたしかに忙しく、プレッシャーもあります。
それでも続けている人が多いのは、こんなやりがいがあるからです。
- 手術が無事に終わった瞬間の、チーム全体の安堵感・達成感
- 「あの術式、前より落ち着いて対応できた」という自分の成長実感
- 高度な医療の最前線で、「命を守る現場」に直接関われること
「忙しいけれど、終わったあとのやり切った感がクセになる」
というオペ室ナースは、本当に多いですよ。
夜勤やオンコールのリアルも知っておきたい方へ
「手術室の1日」のイメージがついたら、次は夜勤帯やオンコールの働き方もチェックしておくと安心です。
「呼び出しってどれくらい?」「家庭との両立は?」といった疑問に、現役オペナース目線で答えています。
「手術室看護師の夜勤|仕事内容とメリットデメリットをリアル解説」
「手術室看護師のオンコール|つらい時に読んでほしい働き方ガイド」




手術終了〜片付け・記録・申し送り


手術が終わっても、オペ室看護師の仕事はまだ続きます。
ここからが意外とバタバタする時間帯です。
患者退室と病棟・ICUへの申し送り
抜管介助が終わり、「退室許可」のコールがかかったら、
モニターやライン類を整理し、ストレッチャーへ移乗します。
外回り看護師は、病棟・ICUの看護師にこんな内容を申し送ります。
- 術式・手術時間・出血量
- ドレーンの種類・本数・留置部位
- 術中のイベント(不整脈・血圧低下など)
- 術後の安静度・体位・注意点
「相手が何に困りそうか」を想像しながら申し送ると、とても喜ばれます。
器械・物品の片付けと滅菌部門への流れ
患者さんを送り出したら、すぐに器械と物品の片付けに入ります。
- 使用済み器械をカウントしながらトレーにまとめる
- 鋭利物・廃棄物をルールに沿って分別
- 器械を滅菌室へ搬送し、洗浄・滅菌の流れにまわす
- 次の手術や翌日の手術に必要な器械を確認
ここが滞ると、その日の午後や翌日の手術が回らなくなるので、
テキパキ動けるようになると一気に頼れる存在扱いになります。
電子カルテ・看護記録・インシデント記録
部屋の片付けがひと段落したら、電子カルテの記録を仕上げていきます。
- 手術中のバイタルの推移
- 投与した薬剤・輸液・輸血の内容
- 看護介入(体位調整・保温・皮膚トラブル予防 など)
ヒヤリハットやインシデントがあれば、その記録もここで行います。
「ただ反省して終わり」ではなく、チームで共有して次に活かすための大事なプロセスです。
手術が押している日の「残業あるある」
予定どおりいけば、終業時間までに予定手術がすべて終了しますが、
現実にはこんな日もあります。
- 1件目が大きく押して、2件目以降がすべてずれ込む日
- 午後に緊急手術が割り込んできて、最終が20時を過ぎる日
その分、
- 別の日に早上がりを調整してくれる
- オンコール担当者が中心となって遅くまで対応する
など、病院ごとに残業との付き合い方は工夫されています。
休憩・お昼ごはんタイムのリアル


「オペ室ってちゃんと休憩できるの?」
ここは、手術室に興味がある看護師さんからよく聞かれるポイントです。
手術の合間のミニ休憩ってどれくらいある?
1件目と2件目のあいだ、部屋の清掃や準備が終わるまでの10〜15分前後のすき間時間がある時もあります。
この時間に、
- トイレへ行く
- 水分を取る
- 少しだけ座ってリセットする
など、「こまめに回復する習慣」が大事です。
声を掛け合って、「今のうちに飲んできていいよ」とフォローし合えるチームほど、疲れにくい印象があります。
昼休憩の取り方|きっちり取れる日・取れない日の違い
お昼は、手術の合間で交代しながら休憩に入ります。
- 手術が順調な日は、45〜60分しっかり休憩
- 押し押しの日は、30分程度でさっと食べて戻ることも
「いつも何時から何時まで固定」というより、
その日の手術の流れに合わせて柔軟に回していくイメージです。



オペ室って、トイレも行けないくらい休憩なさそう…って勝手に思ってました。



忙しい日はたしかにバタつきますが、合間時間に必ず水分をとるなど、チームで声を掛け合っているところが多いです。
見学のときに休憩の取り方もこっそりチェックしてみてくださいね。
休憩中にみんな何してる?勉強・情報共有のタイミング
休憩室の雰囲気は病院によってかなり違いますが、よくあるのはこんな感じ。
- さっきの手術で気になったところを先輩に聞く
- 明日担当予定の術式をマニュアルでさっと確認する
- 他愛もない雑談でちょっと笑う
「勉強会!」と構えなくても、
休憩時間の何気ない会話の中でコツを教えてもらえることが多いのも、オペ室の良さのひとつです。
午後の手術〜終業までのタイムスケジュール例


ここで、日勤の1日の流れをざっくりタイムラインで見てみましょう。
(あくまで一例ですが、イメージづくりの参考になると思います。)
午後の手術の流れと優先順位のつけ方
ある1日の例:
| 時間帯 | 流れの一例 |
|---|---|
| 8:15 | 出勤・更衣・情報収集 |
| 8:30 | 器械準備・部屋セット |
| 9:00 | 1件目手術開始(器械出し) |
| 11:00 | 1件目終了・片付け・記録 |
| 11:30 | 2件目患者受け入れ(外回り) |
| 12:00 | 2件目開始/交代で昼休憩 |
| 15:00 | 2件目終了・片付け・記録 |
| 15:30 | 3件目準備・急患の有無を確認 |
| 16:00 | 3件目開始(短時間の手術) |
| 17:00 | 3件目終了・翌日の準備・終礼 |
| 17:30 | 業務終了(オンコール当番は待機へ) |
午後は、
- 手術が長引く
- 急患が入る
- 麻酔科側・病棟側の調整が必要になる
など、予定どおりに進まないことも多い時間帯です。
リーダー看護師が中心となって、「どの部屋に誰を応援に出すか」を瞬時に判断していきます。
終業前の片付け・翌日分の物品準備
最終の手術が終わったら、部屋の片付け・清掃を済ませてから翌日の準備に入ります。
- 翌日1件目の器械セットを事前に確認
- 特殊器械・インプラントの有無をチェック
- 消耗品の補充・在庫の確認
ここを丁寧にやっておくと、翌朝のバタバタが減って、新人さんでも安心して出勤できるようになります。
終礼・カンファレンス・振り返りの時間
病院によっては、終業前に簡単な終礼や振り返りを行います。
- その日のインシデント・ヒヤリハットの共有
- 新しい術式・機器の簡単なレクチャー
- 新人さんの「気になったこと」をフォローする時間
「わからないままモヤモヤして帰る」が少なくなると、翌日も前向きに手術室へ向かいやすくなります。
日勤専従・パート勤務の場合の1日のイメージ
日勤専従・パート枠のあるオペ室では、
- 9:00〜16:00などの短時間勤務
- 基本は予定手術のみ担当(緊急は常勤がメイン)
- 子育て中の看護師が多い枠 など
「手術室=ハードワーク」のイメージだけで敬遠するのはもったいないケースもあります。
求人票ではわからない実情もあるので、興味があれば見学や面談で聞いてみるのがおすすめです。
オンコール・夜勤がある日の1日(ざっくり版)


ここからは、オンコールや夜勤があるパターンの「ざっくり1日」をイメージしてみましょう。
8-1. 日勤+オンコールの日のタイムスケジュール例
オンコール当番の日は、
- 日勤:8:30〜17:30
- オンコール待機:17:30〜翌朝(呼び出しがあれば出勤)
というパターンがよくあります。
「呼ばれるかどうかわからない」という落ち着かなさはありますが、
そのぶん、待機手当や別日の休みでバランスを取っている病院も多いです。
夜間緊急手術が入ったときの流れイメージ
夜間に救急から緊急手術の依頼が入ると、
- オンコールメンバーに一斉連絡
- 集合して、器械・麻酔の準備
- ICU・救急・病棟と連携しながら患者さん受け入れ
- 少人数で手術を行い、終了後に片付け・申し送り
といった流れになります。
「昼間と同じことを、少人数+時間との戦いでやっている」イメージです。
生活リズムの整え方と家族との調整ポイント
オンコール・夜勤がある働き方では、
- 呼び出し翌日はできるだけ予定を詰め込みすぎない
- 睡眠時間を確保するために、家族と家事分担を話し合っておく
- 「今日は呼び出しがあるかもしれない日」と共有しておく
といった工夫が大切です。



オンコールって、子どもがいる生活と両立できるのかな…。
呼び出しが怖くて踏み出せない。



病院によってオンコールの頻度・出動回数・待機のルールが全然違います。
気になる場合は、見学や面接で具体的に聞くだけでも不安がかなり減りますよ。
このあたりは、別記事で「オンコールのリアル」「手術室の夜勤のメリット・デメリット」として詳しくまとめているので参考にしてください。




新人・学生さんが知っておきたいポイント


最後に、「これから手術室に入る新人さん・学生さん」に向けて、押さえておきたいポイントをまとめます。
新人手術室看護師の1年目の成長ステップ
1年目の大まかなステップはこんなイメージです。
- 〜数ヶ月:外回りで「オペ室1日の流れ」と安全管理を覚える
- 半年前後:難易度の低い術式から器械出しデビュー
- 〜1年:担当できる術式が少しずつ増えてくる
病棟経験があっても、手術室ではみんな「新人」からのスタートです。
できないことが多いのは当たり前なので、「昨日より一歩進んだらOK」くらいで自分を褒めてあげてください。
新人がつまずきやすい場面と乗り越え方
よくあるつまずきポイントと、その対処のヒントをいくつか。
- 器械・術式が覚えきれない
→ まずは1〜2術式に絞って、「この術式だけは得意」と言えるものを作る - 医師や先輩のペースが速くてついていけない
→ その場でわからなかったところをメモし、落ち着いてから先輩に聞く - 失敗したときに必要以上に自分を責めてしまう
→ 「次にどうすれば防げるか」まで一緒に整理してもらう
「できなかった自分を責める」より、「次の1件で何を変えるか」に意識を向けるのが、オペ室で長く働くコツです。
術式を覚えるコツ・勉強法
術式を覚えるときは、文字だけの暗記にしないのがポイントです。
- 術式本・マニュアルで大まかな流れをつかむ
- 実際の手術を見ながら、「この場面でこの器械」とメモする
- 自分なりの「器械出しメモ」を作り、イメトレする
「文字+映像+自分のメモ」の3点セットで覚えると、定着がかなり違ってきます。
具体的にどんな本で勉強していたか知りたい方は、オペナース向けのおすすめ本・術式マニュアルをまとめた記事もチェックしてみてください。
「手術室看護師におすすめ‼︎オペナースのための予習用術式マニュアル」




実習・見学でここを見ておくとイメージしやすい
学生実習や見学でオペ室に入るときは、次のポイントを意識してみてください。
- 器械出し・外回りがどのタイミングで声を掛け合っているか
- 患者さんの入室〜退室まで、看護師がどこで関わっているか
- チーム内の雰囲気(声のトーン・指示の出し方・確認の仕方)
「ピリピリしている」と感じる場面もあるかもしれませんが、
その裏には「患者さんを安全に守るための真剣さ」があります。
そこまで含めて見てもらえると、手術室のイメージが少し変わるかもしれません。



難しそうだけど、手術室の現場を見てみたい気持ちも少し出てきました…!



向いているかどうかは、実際に見てみないとわからない部分も多いです。
興味があるなら、一度見学して自分の目で確かめてみるのがおすすめですよ。
手術室看護師の1日を乗り切るコツとキャリアの広がり


最後に、オペ室の1日を無理なく乗り切るコツと、その先のキャリアについて少しだけ。
体力・メンタルを守るセルフケアと小ワザ
手術室は、立ち仕事・集中力・プレッシャーと、心身ともに負荷がかかる職場です。
だからこそ、日々の小さな工夫が効いてきます。
- こまめな水分補給+ポケットに小さな補食
- 自分の足に合うシューズ・インソールに投資する
- 1日の終わりに「今日できたこと」を1つだけ思い出してから帰る
「なんとなくしんどい」を放置しないことが、長く働くための大事なポイントです。
手術室経験が活きるキャリアパス
手術室で身につく力は、実は他の分野でもかなり重宝されます。
- ICU・救急などのクリティカルケア領域
- 医療機器メーカーのクリニカルスペシャリスト
- 手術医療に特化した教育担当・認定看護師 など
オペ室での経験は、「どこでも通用する安全管理・観察力・チーム医療のスキル」として、後のキャリアの武器になります。
今のオペ室を続けるか、別の手術室や他科にチャレンジするか迷っている方は、手術室看護師の転職ガイドも参考になると思います。
「[手術室看護師の転職]オペ看辞めたいと感じたら読む転職ガイド」


まとめ|「手術室看護師の1日」は想像よりどう?
ここまで読んでみて、あなたの中の「手術室看護師の1日」のイメージはどう変わりましたか?
- 「想像していたより、準備と片付けの比重が大きい」
- 「チームで声を掛け合いながら動いているんだな」
- 「忙しそうだけど、そのぶんやりがいも大きそう」
と感じてもらえていたらうれしいです。
オペ室は、向き・不向きがはっきり分かれる職場でもあります。
だからこそ、1日の流れや仕事内容を知ったうえで、「自分に合いそうか」をゆっくり考えることが大事です。
オペ室に興味をもったあなたの一歩が、少しでも軽くなるきっかけになれば幸いです。










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