手術器械の覚え方|コッヘル・ペアン・ケリーの見分け方と新人が最短で覚えるコツ

おかゆ
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おかゆ
正看護師 / 手術室看護師10年以上

この記事は、正看護師・手術室看護師歴10年以上の「おかゆ」が、自身の現場経験をもとに書いています。

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「コッヘル持ってきて」と言われて、
一瞬フリーズしたことはありませんか?

手術器械は形も名前も似たものが多く、
新人のうちは覚えられなくて当然です。

この記事では、10年以上オペ室で働いてきた私が、
紛らわしい定番器械の見分け方と、
最短で覚えるためのコツをまとめました。

目次

結論|器械は丸暗記ではなく「分類×用途×術式」で覚える

結論のイメージ(手術器械の覚え方)

器械を1本ずつ丸暗記しようとすると、
数が多すぎて必ず途中で心が折れます。

先に知っておいてほしいのは、覚え方には順番があることです。

  • 分類:止血・把持・切離・展開・縫合のどれに使う道具か
  • 用途:その器械で「何をする場面」なのか
  • 術式:明日の担当手術に出てくる器械から順に

この3つをセットにすると、名前だけの暗記より圧倒的に定着します。

ここから具体的に見ていきましょう。

紛らわしい定番器械の見分け方

新人がまず混乱する「そっくりさん」を整理します。

ここだけ押さえれば、器械台の景色が変わって見えるはずです。

コッヘルとペアン|鉤(歯)があるかないか

見分けるポイントは先端です。

コッヘルとペアンの見分け方の図解。コッヘルは先端に鉤(歯)があり、ペアンは先端がなめらか
  • コッヘル:先端に鉤(歯)がある。筋膜などをしっかりつかむ
  • ペアン:先端に鉤がない。止血や組織の把持に幅広く使う

「コッヘルは噛みつく(鉤あり)」と覚えると忘れません。

渡す前に先端を見る癖をつけると、取り違えが激減します。

ペアンとケリー|彎曲の強さと大きさ

どちらも鉤なしの止血鉗子で、シルエットはそっくりです。

ケリーのほうが彎曲(カーブ)が強めで、やや大ぶりなものを指すことが多いです。

ただし、この2つは施設によって呼び分けの基準が揺れます。

「うちの病院でどれをケリーと呼ぶか」を先輩に確認するのが、
実は一番の近道です。

メッツェンとクーパー|組織を切るか、糸を切るか

剪刀(ハサミ)の2大巨頭です。

  • メッツェンバウム:刃が細く繊細。組織の剥離・切離に使う
  • クーパー:刃がしっかり厚い。糸切りなど硬いものに使う

「組織はメッツェン、糸はクーパー」。

この一言だけで、術中に迷う場面がぐっと減ります。

鑷子(セッシ)|有鉤・無鉤・アドソン

  • 有鉤鑷子:先に爪がある。皮膚など丈夫な組織をつかむ
  • 無鉤鑷子:爪がない。臓器や血管など傷つけたくない組織に
  • アドソン:短くて先が細い。皮膚縫合など細かい操作に

鑷子も考え方はコッヘルと同じで、
「鉤があるか・ないか」+「どの組織に使うか」で整理できます。

全部いっぺんに覚えなくて大丈夫

ここに挙げたのは、あくまで「最初に混乱しやすい代表選手」だけです。
この数本の見分けがつくようになるだけで、
器械台の上の「知らない銀色の集団」が、意味のある道具に変わっていきます。

最短で覚える5つのコツ

最短で覚える5つのコツのイメージ(手術器械の覚え方)

① 役割で分類して覚える

手術器械は何百種類もありますが、役割はたった5つしかありません。

  • 止める(止血鉗子)
  • つかむ(把持鉗子・鑷子)
  • 切る(剪刀・メス)
  • 広げる(開創器・開瞼器など)
  • 縫う(持針器・縫合糸)

新しい器械に出会ったら、まず「これは5つのどれ?」と考えます。

引き出しを5個に分けておくと、後から入れる知識が迷子になりません。

② 名前と用途をセットで覚える

「ペアン=あの形」だけで覚えると、すぐ忘れます。

「ペアン=出血点を挟んで止血する道具」まで覚えると、
術野で使われる場面と記憶がつながります。

器械の名前は「単語帳」ではなく「動画」で覚えるイメージです。

③ 担当術式の器械リストから覚える

全器械を網羅する必要はありません。

明日入る手術のセットリストに載っている器械だけ、前日に確認します。

1術式ぶんなら20〜30本程度なので、現実的に覚えきれる量です。

術式ごと・場面ごとの予習のやり方は、こちらにまとめています。

術式の覚え方がわからないオペナースへ|術式予習ガイド

④ 自分の器械ノートを作る

おすすめは「1術式1ページ」の器械ノートです。

  • 器械名(正式名称+うちの病院での呼び名)
  • 特徴のメモ(鉤あり・カーブ強め、など一言)
  • 使う場面(どのタイミングで誰が使うか)

院内で器械の写真が撮れない施設も多いと思います。

その場合は下手でもいいので、特徴だけ捉えた簡単なイラストと、
「見分けポイントの一言」を残しておくと十分機能します。

⑤ 渡すときに名前を声に出す

器械出しで渡す瞬間に、心の中でもいいので名前を唱えてみてください。

「見る・触る・言う」を同時にやると、記憶への残り方が全く違います。

おかゆ

先輩に「体で覚えろ」と言われてから、
少しずつ手が先に動くようになりました。
見る・触る・言うのセットは、本当に効きます。

器械出しの動きそのものに不安がある人は、こちらもどうぞ。

器械出しが苦手・できないオペ看へ|つまずく原因と克服のコツ

施設ごとの「呼び名」問題とのつき合い方

施設ごとの「呼び名」問題とのつき合い方のイメージ(手術器械の覚え方)

器械には正式名称のほかに、現場だけで通じる略称やニックネームがあります。

転職や異動をすると、同じ器械が別の名前で呼ばれていて戸惑うこともあります。

ノートに「正式名称/うちの呼び名」を並べて書く

対策はシンプルで、ノートに両方を並べて書いておくことです。

セットで覚えておけば、環境が変わっても応用が利きます。

新しい職場では、最初に聞いてしまうのが正解

入職・異動したての時期は、遠慮せず
「この病院ではなんて呼びますか?」と聞いてしまいましょう。

最初の1週間なら、何度聞いても不自然ではありません。

器械にかぎらず、オペ室で飛び交う略語・現場用語は、
こちらの用語集にまとめています。

手術室の略語・用語集|オペ室で飛び交う言葉を新人向けに解説

おかゆ

私も転職したとき、同じ器械なのに呼び名が違って戸惑いました。
ノートに両方書いておいたら、1か月ほどで慣れましたよ。

器械を覚えるのに役立つ本

器械を覚えるのに役立つ本のイメージ(手術器械の覚え方)

完全保存版! 手術室の器械・器具210

器械を写真で確認しながら覚えたい人には、この1冊が定番です。

現場で「あの銀色のやつ…」となったとき、辞書のように引けます。

そのほかの手術看護の参考書は、新人向けに9冊を厳選して紹介しています。

手術看護のおすすめ本・参考書9選|器械出し・外回り・麻酔まで

そもそも、覚えられないのはあなたのせいじゃない

そもそも、覚えられないのはあなたのせいじゃないのイメージ(手術器械の覚え方)

似た形の器械が多すぎる

コッヘル・ペアン・ケリーはパッと見ほぼ同じ形です。

並べて見比べる機会がないまま本番が来るので、
混乱するのは自然なことです。

おかゆ

私も新人の頃は毎晩ノートに書いて、翌朝には半分忘れてました。
コッヘル・ペアン・ケリー、似たやつが多すぎて
頭の中がぐちゃぐちゃになってたんです。

教わる器械の数が、とにかく多い

1術式で20〜30本、全科なら数百本。

そもそも一度に覚えきれる量ではないので、
時間がかかって当然です。

覚える前に本番が来る

ゆっくり暗記する時間はもらえないまま、
器械出しデビューの日はやってきます。

「覚えてから現場に立つ」が不可能な環境なので、
覚えながら走るしかないのです。

なお「覚えられなくてつらい」「向いてないかも」という気持ちの面は、
こちらの記事で詳しく書いています。

「オペ看、覚えられない…」のは当たり前|つらい時期の抜け出し方

手術器械の覚え方でよくある質問

手術器械の覚え方でよくある質問のイメージ(手術器械の覚え方)
器械はどのくらいで覚えられますか?

よく使う基本の器械なら、数か月で自然と手が動くようになる人が多いです。
診療科ごとの特殊器械までは、1年かけて少しずつ覚えていくものだと思ってください。
「半年で全部」みたいな目標は立てなくて大丈夫です。

家でできる勉強はありますか?

写真つきの器械の本を1冊手元に置いて、明日の術式に出る器械だけ眺めるのがおすすめです。
長時間の詰め込みより、5分×毎日のほうが確実に残ります。

覚えられないのは向いていないからでしょうか?

いいえ。器械の名前は特殊な外国語を覚えるようなもので、時間がかかるのが当たり前です。
つらさが強いときの考え方は「覚えられない」のは当たり前の記事にまとめています。

まとめ|見分けがつく器械が1本増えるたび、仕事は楽になる

まとめのイメージ(手術器械の覚え方)

手術器械は、丸暗記ではなく
「分類×用途×術式」で覚えるのが最短ルートです。

  • コッヘルとペアンは「鉤の有無」で見分ける
  • 「組織はメッツェン、糸はクーパー」
  • 覚えるのは明日の術式に出る器械だけでいい
  • ノートには正式名称と院内の呼び名を並べて書く

昨日まで「銀色の何か」だった器械の名前が1つ分かるようになる。

その積み重ねの先に、器械出しが「怖い時間」から
「面白い時間」に変わる日が来ます。

焦らなくて大丈夫。今日の1本から始めましょう。

手術室の専門求人は数が限られます。まず選択肢を確認しておきましょう。

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※合わなければ見学だけ/辞退もOK。連絡が不安なら最初に希望を添えましょう。

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