手術中に患者さんの状態が急変した。
その瞬間の記憶が、夜になると繰り返し浮かんでくる。
「あのとき、もっと早く気づけたんじゃないか」
「自分の動きが遅かったんじゃないか」
術中急変を経験したオペ看が感じる自責感や動揺は、とても自然な反応です。
でも、その感情が何日も続いて仕事に影響し始めたら、少し立ち止まって整えるタイミングかもしれません。
この記事では、術中急変のあとにオペ看が感じやすい感情のパターンと、自責感の整え方・気持ちの切り替え方を整理しています。
ひとつでも「これ、自分のことだ」と感じたら、読み進めてみてください。
術中急変後の自責感|誠実なオペ看ほど感じやすい理由

急変のあとに「自分のせいかもしれない」と感じてしまう人ほど、手術室での自分の役割をきちんと理解している人です。
ただし、「誠実である」ことと「全責任を負う」ことは別の話です。
急変は「一人の行動」では起きない
術中急変の多くは、患者さんの術前状態・麻酔管理・術式の難易度・術者の判断・環境要因など、複数の要因が重なって起きます。
器械出しナースや外回りナースの動きは、その一部でしかありません。
「自分の行動が引き金だった」と感じても、実際にそれを証明することはほぼ不可能ですし、逆もまた然りです。
「あのとき自分が〜」が止まらない理由
急変後に「if only思考(あのとき〜していれば)」が繰り返されるのは、脳が「答えのない問い」を解決しようとする自然な反応です。
答えが出ない問いをぐるぐると考え続けることで、かえって消耗してしまいます。
この思考の「ループから抜け出す」ことが、気持ちを整える最初のステップです。
おかゆ急変のあとって、「自分のせいかも」という気持ちがなかなか消えないと思います。
でもそのループ、ずっと続けていると消耗するだけなんです。
術中急変後に感じやすい3つのフェーズ


術中急変を経験したあと、多くのオペ看が似たような感情の流れを辿ります。
「自分だけがおかしい」ではなく、こういうフェーズがあると知っておくだけで少し楽になれます。
当日〜翌日:動揺・フリーズ感
急変の直後は、アドレナリンが出ていて「とにかく動く」モードになります。
でも帰宅してから急に手が震えたり、ぼんやりしてしまったり、眠れなかったりします。
これは身体が「非常事態」として処理した後の、自然なことです。
この段階では、できるだけ早く休息を取ることが優先です。
数日後:自責感・後悔のループ
動揺が落ち着いてきたころに、今度は「あのとき〜だったら」という振り返りが始まります。
このフェーズが、一番しんどいと言うオペ看が多い。
特に「患者さんのその後が気になる」「術後どうなったか確認したい」という気持ちが出やすいのもこの時期です。
可能な範囲で情報を確認することは、かえって気持ちの整理につながることもあります。
次の入室前:「また急変したら」という恐怖
急変後に一番つらいのは、「次の手術が怖い」と感じるようになることかもしれません。
特に似たような術式や患者背景のケースが入ってきたとき、過去の経験がフラッシュバックすることがあります。
この反応は、経験から学ぼうとしている証拠でもありますが、恐怖が強くなりすぎると仕事に支障が出てきます。
自責感を整えるための考え方


「原因探し」より「自分の行動」を確認する
自責感があるとき、多くの人は「急変の原因は何だったか」を探そうとします。
でも原因分析は医師・麻酔科・リスクマネジメント部門が行うことで、看護師が一人で結論を出せるものではありません。
自分に問うべきことはひとつだけです。
「自分は、そのときにできる正しい手順・行動を踏んでいたか」
これに「はい」と言えるなら、それ以上の自責は必要ありません。
「手順が守れていなかった」と感じる部分があるなら、そこだけを振り返りの対象にします。
器械出しと外回り、感じ方はどう違う?
同じ急変でも、器械出しと外回りでは感じる自責感の種類が違うことがあります。
器械出しの場合は「器械の渡し方が遅かったんじゃないか」「必要なものをすぐ出せなかったから?」という思考になりやすいです。
外回りの場合は「バイタルのチェックが遅れた」「もっと早くコールすれば良かった」という振り返りになりやすい。
どちらも「自分の役割を全力でやっていたか」に向き合っている点は同じです。
自分の担当範囲での動きを振り返ることは大切ですが、「自分の担当範囲外の原因まで背負わない」ことも同じくらい重要です。
手術室の人間関係や外科医とのやり取りでストレスを感じているなら、手術室の人間関係のストレス対処法も参考にしてみてください。
「足りなかった」と「原因だった」は違う
「もっとできることがあったかもしれない」という後悔と、「自分が原因で急変した」という自責は、全く別の感情です。
前者は向上心であり、後者は(根拠なく)責任を負い過ぎている状態です。
この2つを混同しないことが、気持ちを整えるうえでとても重要です。
振り返りは「次にどうするか」だけに向ける
「あのときこうすれば良かった」という過去への後悔より、「次に同じ状況が来たとき、自分はどう動くか」に思考を向けることで、振り返りが「消耗」ではなく「学習」になります。
急変の事例を振り返る勉強会や、先輩との振り返り面談があれば、そこに参加することもひとつの方法です。
「ひとりで抱えて結論を出す」より「チームで共有して次につなげる」方が、メンタル的にも安全なんです。
急変後に気持ちを切り替えるための4つの行動


「気持ちの整理」と「次へのアクション」は、別々に考えるのがおすすめです。
感情が整理できていない段階で無理に「前向きにならなきゃ」と行動しようとすると、逆に消耗することがあります。
まず感情に向き合う時間を取って、それから少しずつ「次のための行動」に移るイメージで進めてみてください。
信頼できる先輩や同僚に話す
術中急変の経験は、外の人には伝わりにくい話です。
「なんで看護師なのにそんなに引きずるの?」と言われてしまうこともあります。
だからこそ、同じ手術室を経験している先輩や同僚に話すことが有効です。
「あのときしんどかった」と共有するだけで、気持ちが整理されるものです。
師長や先輩への報告・相談のタイミング
術中急変を経験したあと、「しんどい」と上に伝えるべきかどうか迷う人もいます。
結論から言うと、気持ちの変化を感じたら早めに師長や信頼できる先輩に伝えることをおすすめします。
- 「次の手術前に確認したいことがある」と申し出ることで、準備時間を確保できる
- 「少し気持ちが整理できていない」と伝えることで、フォロー体制を組んでもらいやすくなる
- 「一人で抱え込まない」という姿勢自体が、チームへの信頼につながる
「弱いと思われたくない」という気持ちはわかりますが、術中急変を経験して何も感じない人の方が少数です。
同じ職場のスタッフも、似た経験をしている可能性が高い。
感情を書き出して頭の外に出す
「あのとき〜」という思考がループしているとき、頭の中だけで考えているとなかなか抜け出せません。
紙やメモアプリに「今感じていること」を箇条書きで書き出すと、脳が「記憶として処理した」と判断して、ループが落ち着きやすくなります。
うまく文章にならなくてもかまいません。
感情の単語を並べるだけでも効果があるわけです。
「次の自分」のために準備する
次の手術が怖いと感じているときは、「怖さをなくそうとする」より「準備を増やす」方が有効なことが多いです。
- 急変時の対応手順を再確認する
- よく使う緊急薬の場所・規格を確認しておく
- 先輩やチームと「急変時はこう動く」と共有しておく
「完璧に動けるか」の不安を消そうとするより、「準備してある」という安心感を積み上げる方が、恐怖感は下がりやすいです。



怖さをゼロにしようとしなくていいと思います。
「もし急変しても、自分はこう動く」が少しでも明確になると、術前の緊張が変わってくることが多いです。
よくある質問(術中急変後のメンタルケア編)


まとめ|オペ看は術中急変後の自責感を一人で抱え込まない


最後にポイントをまとめます。
- 術中急変後の自責感は、真剣に仕事をしているオペ看ほど感じやすい
- 急変は複数の要因が重なって起きるもので、一人の看護師が「原因」になることはほぼない
- 自分に問うのは「正しい手順を踏んだか」だけでいい
- 振り返りは「原因探し」より「次にどう動くか」に向ける
- 怖さはゼロにしなくていい。準備を重ねて「安心感の根拠」を作る
- しんどいと感じたら、師長や先輩に早めに相談する



術中急変を経験したあとに「しんどい」と感じるのは、それだけ患者さんのことを考えているから。
その気持ちは大切にしながら、自分を責めすぎないでいてほしいと思います。
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