手術室に5年以上いると、「そろそろ何か資格を取った方がいいのかな」と思い始める時期が来ます。
そのとき名前が出やすいのが、周術期管理チーム認定です。
でも調べてみると、こんな疑問が浮かびます。
- どうやって受けるの?
- 費用はいくらかかる?
- 取っても給料は上がらないって本当?
- そもそも自分に必要な資格なの?
この記事では、受験資格・費用・勉強法・取得後の変化まで、オペ看目線で正直にまとめています。
まず結論:この資格が向いている人・向かない人

✅ こんな人に向いている
- 麻酔科医の動きをもっと理解したい
- 術中管理・周術期の知識を体系的に整理したい
- 将来的に特定行為研修(術中麻酔管理領域)を受けたい
- 転職・履歴書で専門性をアピールしたい
- 後輩指導でもっと根拠ある説明をしたい
⛔ 急がなくていい人
- 給料をすぐ上げたい(直接的な給与反映は少ない)
- 半年以内に転職を考えている(まず転職活動を優先した方が早い)
- 勤務2年未満でまだ受験資格を満たしていない
周術期管理チーム認定とは?

周術期管理チーム認定制度は、日本麻酔科学会・日本手術看護学会などが共同で運営する専門資格です。
2014年にスタートし、看護師・薬剤師・臨床工学技士が対象になります。
「周術期」とは手術の前・中・後すべてを含む期間のこと。
この期間を通じた専門知識を持つことを証明するのがこの資格です。
周術期管理チーム認定を取るメリット
- 麻酔薬・モニタリング・気道管理の知識が体系化される
- 特定行為研修(術中麻酔管理領域パッケージ)を受けやすくなる
- 術後疼痛管理研修へのアクセスが広がる
- 転職・履歴書で周術期特化の専門性をアピールできる
これらは数字で見えにくい変化ですが、麻酔科医やコメディカルとの連携の質を確実に変えてくれます。
資格の勉強過程で知識が整理されることが、現場での判断スピードに直結します。
受験資格と申請条件【2026年版】

以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
① 看護師免許の取得
日本国内の看護師免許が必要です(准看護師は不可)。
免許の取得都道府県は問いません。
外国の看護師免許は対象外となっています。
② 手術室での実務経験2年以上
麻酔科標榜医が年間200症例以上の麻酔管理を提供している施設での手術室勤務が満2年以上必要です。
小規模病院や手術件数が少ない施設では条件を満たさない場合があるため、勤務先の症例数を事前に確認しておきましょう。
「2年以上」は申請締め切り時点での計算です。
試験年の春頃が申請時期になるので、逆算してキャリアを計画しておくと安心です。
③ 周術期管理チームセミナーへの参加(2回以上)
申請年の3年前の4月1日〜申請年の3月31日の間に、日本麻酔科学会が主催・共催するセミナーに2回以上参加する必要があります。
eラーニングでの受講も可なので、遠方でも対応できます。
2026年度は4月1日より申込受付が開始されています。
セミナーは1回2〜3時間程度のものが多く、eラーニングなら仕事の合間に受講できます。
参加のたびに受講証明書を保管しておくのを忘れずに。
④ 日本手術看護学会の学会・研修への参加(2回以上)
同期間内に、日本手術看護学会が主催する年次大会(地区学会含む)または麻酔看護研修に2回以上参加していることが必要です。
地区学会は各地域で開催されるため全国各地から参加しやすくなっています。
会員でなくても参加できる大会も多いので、まず日本手術看護学会のサイトで開催スケジュールを確認してみましょう。
おかゆ4条件のうち一番ハードルが高いのは③と④のセミナー・学会要件。試験の3年前から準備しないと間に合わないので、「受けたいかも」と思ったら早めに動くのがポイント。
試験の概要・合格率・難易度


筆記試験・選択式で、公式テキストに準拠した出題です。
合格率は80%台後半と比較的高いですが、麻酔・薬理・術中管理・術後管理と出題範囲が広いため、計画的な準備が必要です。
| 試験形式 | 筆記試験(選択式) |
| 出題範囲 | 公式テキスト「周術期管理チームテキスト(第4版)」に準拠 |
| 試験時期 | 毎年11月頃 |
| 申請時期 | 毎年春頃(公式サイトで確認) |
| 合格率 | 80%後半 |
| 有効期間 | 3年(更新手続きあり) |
周術期管理チーム認定の受験費用はいくら?


受験から認定登録まで、複数の費用が発生します。
遠方のセミナー・学会への参加が必要な場合は交通費・宿泊費も加わります。
職場によって資格取得支援制度がある場合もあるので、申請前に確認しておきましょう。
| 費目 | 目安 |
| 公式テキスト(第4版) | 約6,000〜7,000円 |
| セミナー参加費(2回) | 施設・形式によって異なる |
| 交通費・宿泊費(遠方の場合) | 数万円 |
| 学会参加費(2回) | 数千円〜1万円程度 |
| 受験審査料 | 10,000円 |
| 認定登録料 | 20,000円 |
合計の目安は最低でも5〜10万円程度。
遠方のセミナー・学会に参加する場合はさらに増えます。
「お金をかけてもすぐ給料に反映されないのでは?」という不安はもっともです。
実際、多くの施設では直接的な給与アップにはつながりにくいのが現状です。
給料アップを目的にするなら、転職という選択肢の方が現実的な場合も多いです。
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合格のための勉強方法とスケジュール


試験範囲は広いですが、出題傾向は過去問に近いため、使う教材を絞って逆算スケジュールで進めると効率的です。
難しく考えず、まずは教材を2つ用意するところから始めましょう。
使う教材は2つだけ
- 公式テキスト「周術期管理チームテキスト(第4版)」
- 過去問(公式サイトや試験準備サイトで入手可能)
試験は7〜8割が過去問の焼き直し(類似・同一問題)とされています。
テキストを全部読もうとしなくても、過去問中心に進めれば効率よく合格できます。
テキストは分厚いですが、出題頻度の高い分野は限られています。
過去問を解きながら「どの章が頻出か」を掴むと、勉強時間を大幅に圧縮できます。
勉強のコツ
- 最初から全部読まない。苦手な章から潰す
- 過去問→テキストの該当箇所を確認、の繰り返し
- セミナー・学会の内容と照らし合わせると定着しやすい
試験前に麻酔・周術期管理の知識を整理しておきたい人は、中堅向けの参考書を先に読んでおくと理解が早くなります。
逆算スケジュール(11月試験の場合)
| 時期 | やること |
| 3年前〜 | セミナー・学会への参加を積み上げる |
| 1年前 | テキストを購入し全体像を把握 |
| 6ヶ月前 | 過去問スタート・苦手分野を特定 |
| 3ヶ月前 | 過去問3年分を繰り返す |
| 1ヶ月前 | 弱点の最終確認 |
スケジュールの鍵は3年前からのセミナー参加です。
試験の存在を知った時点でセミナーだけ予約しておくと、後の申請がスムーズになります。
6ヶ月前からの過去問演習で本番に備えましょう。



過去問を繰り返すのが一番効果的。「また同じ問題だ」と思えるくらい回すのがコツ。テキストは辞書代わりに使う感覚で十分。
取得後のメリット|給料・転職・キャリアへの影響


「資格を取っても職場は変わらない」と思っている方も多いですが、変化は給料だけではありません。
知識の体系化・転職時のアピール・特定行為研修へのアクセスと、複数の面でキャリアに影響します。
給料・給与への直接的な影響は?
正直に言うと、多くの施設では直接的な給料アップにはつながりにくいのが現状です。
施設によっては資格手当がつくケースもあります。
取得前に職場の規定を確認しておくといいでしょう。
給料アップを最優先にするなら、資格取得より転職の方が即効性が高いケースもあります。
この資格は「給料のため」より「キャリアの深さのため」と考えると、判断しやすくなります。
転職・履歴書で専門性をアピールできる
手術室経験+周術期管理の専門資格を持つことで、大規模病院や周術期管理センターへの転職で評価されやすくなります。
「オペ看は専門性が高い」と言われますが、それを資格という形で証明できるのは強みです。
大規模病院や手術件数の多い施設への転職では、周術期管理チーム認定の有無が他の応募者との差になることがあります。
特に特定行為研修へのアクセスを評価する施設も増えています。
特定行為研修(術中麻酔管理)への入り口になる
この資格の最大のメリットのひとつが、特定行為研修(術中麻酔管理領域パッケージ)へのアクセスが広がることです。
麻酔科医の業務をより深くサポートしたい人は、この資格をステップに特定行為研修を目指すキャリアパスが描けます。
特定行為研修を修了すると、医師の指示の範囲で一部の麻酔管理行為を担えるようになります。
周術期管理チーム認定はその第一歩として、キャリアに明確な道筋を与えてくれます。
麻酔・術中管理の根拠が身につき後輩指導が変わる
麻酔・モニタリング・術後管理を体系的に学ぶと、「なんとなくこなしている」から「根拠を持って動ける」状態に変わります。
5年目以降でプリセプターや後輩指導を担う立場になった人にとって、知識の体系化は大きな武器になります。
よくある質問


受験を考えている方から実際によく聞かれる質問をまとめました。
申請前の確認事項として参考にしてください。
まとめ


周術期管理チーム認定は、給料よりもキャリアの質・知識の深さ・転職時のアピールに価値を感じる人に向いた資格です。
手術室5年目以降は、後輩指導や自分のキャリアを考える時期でもあります。
「学び直し」の機会として取り組むと、現場での動き方が変わるきっかけになります。
まずはセミナーへの参加から始めるのが最初の一歩。
試験のことを考える前に、セミナーへの参加実績を積み上げることが先決です。
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